コロナによる自粛要請で、ネットカフェも休業しなければならなくなりました。
相次いで休業に踏み切る店がある一方で、「もう10年も住んでいる方が居るので、閉められない」と苦渋の選択を迫られているお店も。
ネットカフェに寝泊まりしている人が一定数居るのは知っていましたが、そこまでとは。
支援団体が動いたり、都が約400室のビジネスホテルなどの部屋を用意したそうですが、都が把握しているだけでも、約4000人以上のネットカフェ難民が居る、ということなので、足りなくなるのは目に見えています。
「もうホームレスになるしか無いのか?」と諦めてしまっている方も多いということですから、人権的な意味でも、また感染拡大防止の意味でも、国が手を差し伸べてもらいたいところです。
少し前には、「マクドナルド難民」なんていう言葉も流行ったようですが、今は、そんなこともできないですから。
マクドナルド難民って、10年以上前に流行った「コーヒー一杯だけ注文して、24時間営業の店に寝泊まりする人たち」ですよね。
今は、さすがにお店も対策しているでしょうし、24時間営業じゃないところも増えているので、居なくなったのでは?と思ったら。
不況を反映してか、また増えているらしいです。
ヤフーニュースでも取り上げられていましたが、40代でブラック企業を転々とした後定職を持たず、日雇いの仕事をしながら、マクドナルドで一晩過ごす生活をしている男性が居るそうです。
ただ、横になって本格的に寝入ると、店員さんに起こされるので、座ったままで寝ているとか。
驚いたのは、あまりにも難民が増えてしまい、深夜は着席できないお店も増えている、ということ。
コーヒー一杯で居座られては、ましてや寝泊まりまでされては、お店側としては迷惑極まりないので、対策するのは当たり前でしょう。
とは言え、マクドナルド難民なんて呼ばれる人が、そんなに増えている世の中って、もう「世も末」としか思えません。
それもこれも、家賃が高いということも理由の一つだと思います。
いや、人並みにお給料をもらっていたら高くないのかもしれませんが、例えばお給料が月に10万円くらいだと、5万円の家賃でもそれだけで半分持っていかれます。
「月に10万円しかもらえないなんて、普通に働いていたら考えられないでしょ。」と思うでしょう?
それが、最低賃金が低い地方では、フルタイムで働いていてもあり得ないことではないのです。
私の知り合いは、忙しい時には朝8時から夜7時半まで働いて、手取りでお給料は13万円なんですよ。
それでも、パートなら特に安くはないかな?
問題は、正社員の職がなかなか無いため、家庭を持っていても、非正規雇用で働かないといけないこと。
となれば、「家賃が高い」というのもおわかりいただけるでしょう。
その上、子どもが小さかったり、親の介護で妻が働けなかったりすると、「毎月どうやって生活していくの?」という感じですから。
まあ、家賃だけでなく、食費や光熱費も問題になるんですけどね。
で、ネットでブログを読んでいたら、なんと「一家4人で、最初は余裕のある生活をしていたのに、夫の給料激減で家賃が払えなくなり、一時はホームレス状態になりかけました。」という体験談がありました。
このご一家は、ご主人がIT系会社員で、都会で暮らしていた時には、タワーマンション暮らしのいわゆる富裕層に近い暮らしぶり。
お子さん二人にも恵まれ、幸せを絵に描いたような生活だったんですね。
旦那さんも、子育てに積極的に参加してくれていたのですが、会社での出世が早かった分、やっかみ半分での同僚の嫌がらせが始まり、そのうち上司からのパワハラも受けだしたんです。
真面目な性格だけに、だんだんメンタルもやられてきたのですが、子育て真っ盛りの妻には相談できずに居ました。
そしたら、とうとううつ病になってしまい、どんなに努力しても会社に足が向かなくなったのだそうです。
「とにかく体を休めるのが一番」と会社を休職し、数ヶ月で復帰した時には自分のデスクはあるはずも無く退職。
やっとの思いで見つけた転職先でのお給料は、交通費を引いたら15万円足らずにまで落ち込んだということ。
タワーマンションから安いマンションに引越しても、家賃は7万円くらいはかかり、そのうち滞納を繰り返すようになったんですよね。
その間に子どもが病気で入院したりと、お金の要ることも重なり、滞納分が50万円を越した時に、いきなり裁判所から「強制退去」命令が。
大家さんには何度となく泣きついて、「今あるお金だけでいいから」と言ってもらっていたのですが、その言葉に甘えているうちに、ついに堪忍袋の緒が切れたのでしょう。
そこに書かれていた強制執行日がだんだん近づいてくるにつれて、他人事のように思えてきて、かえって腹が座ったようになったそうですが、さすがに小さな子どもを抱えてホームレスになるわけには行きません。
悩んだ挙げ句に市役所に相談に行くと、すぐに無料低額宿泊所の手配をしてくれて、やっとなんとか屋根のある場所で寝られることに。
とは言え、この施設には3ヶ月しか居られないので、その間に次の引越し先を決めなくてはならないのです。
それからも、ボロアパートを転々とすることになるのですが・・・
このご家族、現在はお子さんも独立され、幸せに暮らしているそうなので、安心しました。
もともとの家賃滞納理由にしても、病気が発端だっただけに、身につまされる体験談でしたね。
家賃滞納は、今かなり問題になっているということで、強制退去などの厳しい措置も増えているとのこと。
明日は我が身と思って、少しづつでも貯蓄に精を出すしかないのかな?