「離婚後に自己破産しても養育費や慰謝料は支払うの?」ということですが、そういうことも十分考えられます。
人生って予期せぬことが起きるということはよく言われていますが、降って湧いたように不幸なことが起きることもあるのです。
例えば、離婚した翌年に自己破産するとか。
私の職場の人が、よくある職場恋愛で不倫をしてしまい、奥さまと離婚したんですよね。
「仕事仲間にしては、いやに親しげに話しているな」とは思ったのですが、まさか不倫関係にあったとは。
その男性、とても子煩悩で、スマホの待受にお子さんの画像を入れているほど。
奥さまとも、時々会社の帰りに待ち合わせして、デートされているみたいで、私からしたら「あんな旦那さんだったらなー」と思えるような素敵なカップルでした。
それでも好きな女性ができたら、家庭を顧みなくなるんですね。
ついに、奥さまに離婚を切り出したそうですが、奥さまにしてみたら寝耳に水で、すぐに離婚が成立するはずも無く。
何年もかかってやっと離婚できたのですが、今度は、慰謝料やら養育費が、どっと彼の肩にのしかかってきたというわけです。
まあ、自業自得と言えばそのとおりなんですけど、その後、結局不倫相手とは別れ、会社にも居づらくなって退社してしまったのです。
数年経って、風の便りに聞こえてきたのは、「Aさん、仕事もなかなか決まらなくて、自暴自棄になり、酒に溺れて体を壊して、借金まで作って、自己破産したらしいよ」ということ。
私が知っているAさんは、仕事もできて家庭も大事にする素敵な男性だったので、「どうしてこんなことになってしまったのかな?奥さんも可哀想」なんて思ったんですよね。
そう言えば、自己破産した場合、養育費や慰謝料も減額になったり、払わなくてよくなったりするのでしょうか?
まあ、奥さんの立場から言うと、「気の毒だけど、こちらとしても養育費だけはもらわないと」ということだと思うのですが。
結論から言うと、養育費は、たとえ自己破産をしたとしても支払い義務はある、ということ。
他の債務整理でも同じですが、養育費に関しては、非減免債権と言って、減額したり免除されたりということは不可能なのです。
考えてみたら、養育費を払いたくないばかりに、離婚後債務整理をする人が居ないとは限らないですから、ここは厳格にすべきだと思いますね。
で、慰謝料に関してですが、Aさんの場合は、自身の不倫が原因であることは明らかなので、当然請求されます。
夫婦名義で購入したマンションなどを、慰謝料代わりに財産分与する方法もありますが、全額支払えなくて分納という形になっていることもあるでしょう。
そうなると、月々の支払いもかなりの金額になっていますから、できれば慰謝料だけでも減額または免除してもらいたいもの。
慰謝料については、任意整理では整理するのは難しいので、元奥様に直接交渉して減額してもらうという方法を取るしかないみたいです。
ただし、個人再生や自己破産では、「悪質と認められた場合」以外は、減額や免除が可能なケースが多い、ということ。
Aさんの場合は不倫ですが、奥さんに対してよほどひどい不貞行為をしていなければ、免除になる可能性は高いそうです。
いずれにしても、高い代償だったと言うしか無いですね。