世界で裕福層と貧困層の差が顕著になっている、ということですが、日本でも同じことが言えますよね。
生活保護の世帯数が増加しているということから考えても、いかに貧困層が増えているか?がわかります。
代わりに、受給者数は減っている、という事実。
ということは、独身者ではなく、家族を持つ世帯の貧困が増えているということ。
生活保護と言えば、債務整理後にも受給する人は多いです。
「ブラックでも生活保護は受けられる?」という質問をよくいただくのですが、借金を抱えていても生活保護は受けられます。
ただし、生活保護費の中から借金を支払うことはできないので、先に自己破産など債務整理の手続きをしてから、ということになります。
多重債務者になって、借金は返せないは仕事にも就けないなんていう方も、法テラスなどで借金を整理する相談をしてから、生活保護を受給することになるでしょう。
お金がある人にとって、また安定した仕事に就いている方にとっては、「お金が無い」という状況自体が信じられないこと。
それでも、これだけ貧困者が増えているのです。
子どもの貧困も深刻な問題ですよね。
「仕事が無い」ということが、根本にあるのでしょう。
選り好みしていると言われれば、そういったこともあるのでしょうが、今現在安定した収入を得られる仕事が少ないというのもひとつの原因でしょうか?
生活保護世帯の中では、圧倒的に65歳以上のお年寄り世帯が多いとか。
今の65歳以上の方は、若者が思っている以上に元気な方が多いとは思いますが、どう頑張ったって若者並みには働けません。
今までしてきた仕事なら若者には負けない自信があっても、新しいことを習得して一人前になるまで頑張るというのは、難しいことです。
それは、怠けているとかそういうことではなく、人間の体がそういうシステムになっているからということでもあるのでしょう。
また、定年後に職に就こうとしても、パートでの警備員の仕事やシルバー人材など、低賃金でしか雇ってくれないという現実があることも忘れてはいけません。
その上、外での仕事や立ち仕事が多いため、人並み以上の体力がある人でないと、長く勤められないのです。
特に、一度自己破産や債務整理を経験して、人生に躓いた人にとっては、やる気はあっても気力が伴わないなんていうこともあるかと思います。
甘え?
そう取られても仕方がないことだけど、年を取ってから人生に躓くというのは、思っている以上にハードなのです。
ただ、それを乗り越えて、立派に成功されている方もいらっしゃいますけどね。
とまあ、どうしても多重債務や債務整理をした方中心に考えてしまいますが、世の中には、生活保護すら受けられなくて、貧困にあえいでいる方たちもたくさんいらっしゃるのです。
例えば、自宅で高齢者や障害者の方の介護をされている場合。
ある程度の収入があると、生活保護や介護保険の対象外になってしまいます。
多分、その金額はそんなに高くないはず。
だけど、実際には、介護をするために会社を休みがちになり、お給料も減額されていたり、介護するための出費も結構かさんだりします。
介護保険が満足に受けられなければ尚更です。
「本当は、もっと傍に居てあげて、十分な介護を受けさせてあげたいのに、なかなかできない現実がある」と、お母様を介護されている方がおっしゃっていました。
埼玉などでは、そんな生活保護の制度の間に居る方たちを援助する動きもあるそうです。
ニュースでは、暗いニュースやゴシップ、犯罪性のあるものが主流なので、なかなか取り上げられませんが、そういった活動にこそ、目を向けるべきですよね。
弱者という対象も今は、範囲が広くなっているような気がします。
明日は我が身という言葉、今はあまり使わなくなっていると思いますが、自分だって明日はどうなるかわからない、と思えば、今生活に困っている人を下に見ることはできないはず。
私達のように、一度ブラックになったりして、失敗している人たちなら余計わかるというものです。
少しでも協力し合えれば良いのですが。
追記:「生活保護を受けていても引越しはできる?」という質問もよく見かけるのですが、原則として、特別な事情がある場合のみ許されることになっています。
夫のDVなどから逃れるためなど、どうしても引っ越さなければならない理由がある時には、担当のケースワーカーに相談してみましょう。
その上で、福祉事務所長の判断にゆだねられますが、OKが出れば引っ越すことは可能です。
他県や他の市区町村に引っ越す場合、もう一度、住んでいるところの福祉事務所で、生活保護の手続きをする必要があります。