少し前ですが、過払い金のCMで有名なミネルヴァ法律事務所が破産へ、というニュースが流れてきました。
なんでも、負債総額は約52億円と言いますから、相当なものです。
弁護士法人の破産では過去最大級だということ。
やはり、感染症の影響も否めないのでしょうか?
過払い金請求って、一時は頻繁にテレビCMなどでも見かけたけど、今は、このミネルヴァくらいでしたものね。
総量規制施行後は、グレーゾーン金利も禁止となり、高い金利は取れなくなっているため、すでに「過払い請求しても遅いの?」という風潮になってきました。
だけど、もしかしたら、10年以上前からお金を借りていて、借りた時はグレーゾーン金利以上だった、なんていう場合は、もしかしたら、今が過払い請求のタイムリミットかもしれませんよ。
というのは、過払い請求にも時効があって、取引終了から10年経っている場合は成立してしまいます。
つまり、2010年6月に、貸金業法及び出資法改正があり、上限金利が20%と定められたことにより、今まで平気で29%とか取っていた金利を低くせざるを得なくなりました。
結果、消費者金融でさえ、一桁の金利から貸し付けるところも出てきたほど。
だからといって、私達のようなお金を借りる側の人間に有利になったか?と言われたら、そうでも無い部分もあり、金利が低くて月々の返済額が安くても、返済方法によっては「元金がちっとも減らない」なんていうこともあるんですよ。
「自分が借りているローンやキャッシングの計算方法」を知らないで借りていると、返済合計額がとんでも無い金額になることもあるので、注意が必要です。
で、過払い請求に話を戻しますが、請求できるのは、あくまでも金利がグレーゾーン以上だった場合のみなので、もともと安い金利で借りていたり、2010年の施行以降に借りた分についてはできないのです。
となると、すでに8年以上経っているので、「心当たりのある方は急がないと」ということになります。
中には、「債務整理の相談をしに弁護士事務所に行ったら、過払い請求ができるということでお願いしました。結果100万円もの金額が戻ってきました。」なんて、某弁護士事務所の広告のような話が。
なんでも、旦那さんの給料が減給に次ぐ減給となり、その度に消費者金融から借り入れをしていたそうです。
奥さんにとって、「お金を借りる先」というのは、その頃盛んにCMしていた消費者金融しか頭になかった、ということなんです。
確かに、テレビを付ければCMが流れていましたし、有名な俳優さんやタレントさんが、こぞって出演していましたから、なんとなく信用できそうな気はしましたよね。
考えてみたら、それ以前はサラ金と呼ばれ、「ここで借りるようになったらアウト」くらいの時代があったので、イメージを払拭するのに必死だったのでしょう。
現に、銀行とタイアップして、金利もそんなに高くないところもあったので、一概には言えないのですが・・・
ただ、この奥さんが借りた先の消費者金融は、20%以上の金利で、最初はきちんと返していたのですが、そのうち返せなくなり、他のところから借り、それも返せずにまた他から・・・としているうちに、どんどん金利も高くなり、という悪循環で。
結局、足りなくなったらまた借りてという自転車操業を、15年間も繰り返していたそうです。
とうとう「このままでは生活できなくなる」と思い、やっとのことで弁護士に相談したら、先程も書いたように、過払い請求で100万円返金という結果になったということ。
実際の借金総額が300万円で、100万円戻ってきて差し引き200万円ですが、債務整理費用として30万円支払ったので、230万円が債務として残り、なんとか任意整理で完済できたんですね。
この方の場合は、ラッキーだったことも重なったわけですが、過払い請求をしても
○相手の金融業者が経営破綻で倒産してしまっていた
○再計算をした結果、過払い金が発生しなかった
という理由で、帰ってこないこともあるので、過度の期待はしない方が良いかもしれないですね。
とにかく、「ひょっとして戻ってくるかも」と思ったら、ダメ元で相談してみる方がいいですよ。